
縁と月日の末を待て
縁があったようだ。
何の示し合いもなく、何の打ち合わせもなく、個々人がそれぞれ別々の理由でもって、それぞれ別々のルートを辿り、今一堂に会した。
面白い。これだから人間はやめられない。
ということを2月に書こうと思ってたら、もう3月になっていた。つーか、その3月ももうじき終わる。
やれやれ、困った困った。バイト生活について、しこたま書き散らそうかと思ってたのだが、時期を完全に逃してしまったではないか。
まあいい。とりあえずは、後々のために、この2ヶ月ほどのことを簡潔に書いておく。忘却する前に。
1月。大量にあった試験を片付けた次の日からバイトが始まった。
3日経ったあたりから、“はたして自分は、この仕事を最後までやり遂げることが出来るのだろうか”という疑念を抱き始める。
仕事がハードすぎた。
1週間経つと、上の疑念は確信へと変わる。来月もここで働いている自分のイメージが全く沸かなかった。
腕も痛い。
ただ、人間とは良く出来ているもので、莫迦みたいに辛い仕事にも多少慣れてくる。
学習、忘却、慣れ。人はこれらの能力を備えているからこそ、ここまで来れたのである。
腕が痛い、痛い、と言いつつも気がつけば3月。本当に気がつけば、であった。
2月の記憶がほとんどない。繰り返される単調な作業を黙々とこなす毎日。
記憶に留めるべき事柄がなかっただけなのだが、それはそれで怖いものがある。
ちなみに、作業が単調過ぎるのと辛すぎるのとで、計3回ほど発狂しかけたのを覚えている。
あれは本当にやばかった…。
3月に入ると、ある程度はそつなくこなせるようになる。
1月に比べると、恐ろしくスタミナがついていた。
要求された職人技もほぼマスターした。
いつなんどき、本をベルトコンベアに投入する必要に迫られてもオーケーである(どんな状況だ)。
…………。
まあ、そんなこんなで今日に至るわけだが、さて、明日給料を受けとったらこの職場ともオサラバだ。
本当に心の底から清々する。
ここまで淡々と書いてきたが、今思い出してみると、とんでもないことを2月近くもやってきたのだな…。
始めから解ってたことだが、やっぱり僕は力仕事には向いていない。
頭と指先だけで出来る仕事が理想だ。将来そんな職につきたい、と漠然と思っている。