RPGをやっていて総じて思うのが「舞台の移り変わりが激しい」ということである。
主人公の多くは世界を旅する。
また、旅の実感を得やすくするために、街や地域にバリエーションを持たせる手法が一般的だ。
しかし、
物語に絶対的な尺(別名“容量”)が存在する以上、バリエーションを持たせた分だけ、
ひとつの街や地域に滞在する時間は減っていく。
すると、地域に付随するモンスター達との戦闘も、どうにも忙しなく感じてしまうのだ。
一体々々作りこまれているのだが、接する機会が少ないため、ほとんど顔を覚える暇がない。
また、新しい地域のモンスターは、主人公達のレベルにピッタリ合わせた強敵が出てくるわけだから、
扱われる数値が大きくなっただけで、戦闘で行われる内容はまったく同じなのである。
勿論、RPGとは根源的にそうなのだから、これは仕方がないことなのだが、
それにしても、こうはっきりと“作業”を感じてしまうと、やる気が殺がれてしまう。
言うまでもないが、それはそれで面白い、と感じる人がいるだろうし、それが悪いとも思わない。
ただ、いつも新しい敵と戦っていると、レベルが上がっても、
キャラクタが成長しているのか解りづらい、もしくは実感が薄い、と感じてしまう。
『世界樹の迷宮』はひとつの街と、ひとつのダンジョンが舞台となるゲームだ。
地下へと続くダンジョンをひたすら潜っていく。
潜っては街へ戻り、潜っては戻り、という形式で物語は進行していく、
いわゆるリフレイン型である※。
必然、何度もスタート地点である地下一階から潜ることになり(厳密には少し違うが)、何度も同じ敵と接触することになる。
平均的に見れば、これこそ“作業”なのかもしれない。
しかし、ゲームをやりつくした僕くらいの年代の人間にとっては、これが逆に心地よく感じたりするのである。

※ 「いわゆる」と書いたが、世間では探索型と呼ばれている。
自分で作った言葉で書くなんて、きっと管理人は気持ち悪い人間に違いない。