アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を全話鑑賞。
良く出来ていた。おそらく、この作品に最も適した手法で映像化がなされたと思う。
僕は原作の『ハルヒ』のことを、“話はつまらないが文章で読ませる”タイプだと評価している。
だから、そのまま映像化すれば、恐ろしく退屈なものが出来上がるはずだった。
しかし、流石はプロである。
凝りに凝った演出の映像で、つまらない作品を装飾したのだ。
それが最も顕著に表れていたのが、何話目かは忘れたが、学園祭でライブをする話である。
ヒロインたちが楽器を演奏しながら歌をうたう、というただそれだけの話なのだが
演奏時の指使いだとか、歌う表情だとか、莫迦みたいな描き込みがなされていた。
それを見て視聴者は「すげえぇ」とか思うわけだが、後でふと思い返すと、如何に話の内容が薄っぺらかったか気付く。
勿論、アニメを見て純粋に面白いと感じた視聴者はいるだろうし、それを否定するつもりは毛頭ない。
その感想も正しいだろう。間違った感想などない。
ただ、僕の中では、題材がどうあれ演出ひとつでどうにかなるもんだな、という印象である。
それと、蛇足だが、世間のハルヒ人気は常軌を逸しているように感じるが、僕だけか。