川上とも子演ずる神楽夏希は生粋のゲーマーだ。
そんな彼女にゲームの技術を教わった主人公は、メキメキとゲームの腕を上げていく、神楽ルートを要約するとこんな話である(相当歪曲したが)。
僕もまだ小学生だった頃、ひとりの少女にゲームを教わったことがある。
そもそも僕が現在までビデオゲームを遊びつづけてきたのは彼女の影響によるものだ。
当時、遊びと言ったらサッカーやキャッチボールのことで、今思うと気持ち悪いくらいにアクティブな子供だった。
そんなある日、いつも遊んでいた少女の家に行く機会があり、そこで、ごそごそと彼女が取り出したのがファミコンだった。
そして僕は『ロックマン3』に出会う。
その頃の気持ち悪い僕でも
ファミコンの存在くらいは知っていた。
マリオとかも、二、三度遊んだこともあった。
覚束ない手付きでコントローラを握り締め、初めてのロックマンを体験した。
すぐに挫折した。難しすぎる。
こんなの楽しんでやる人間はマゾか何かだと思った。
そのとき、マゾマゾ呟いている僕の手から、彼女はひょいとコントローラを奪い「ちょっと見てて」と言った。
すると、それまで弱過ぎて見ていられなかった岩男が華麗に動き出したのだ。
銃弾の雨の中を掻い潜り、次々と敵を破壊していった。
最高に格好良かった。
岩男もそうだが、彼女が格好良かった。
それからというもの、僕は彼女と共に(ビデオゲームと言う名の)戦場を潜り抜ける日々が続いた。
数々の技術を叩きこまれ、いつしか大抵のアクションゲームはこなせるまでに成長していた。
その後も色々とエピソードが続くのだが、省く。
とりあえず、神楽ルートをプレイしていて、そういう日々を思い出したわけである。