獣の咆哮が聞えたと思った瞬間、重々しく緊張感を煽る音楽が鳴り始める。
なんだなんだと思ってあたりを見渡すと、そこには1頭のランポス(青い小型肉食竜)が佇んでいた。
いや、ただのランポスではない。
体は一回り大きく、頭には真っ赤なトサカが見える。
ランポスの親玉、ドスランポスである。
僕は軽くパニックになる。
こんなトサカ野郎、さっきまでこのエリアにはいなかったからだ。※
とりあえず戦闘態勢を取るべく抜刀する。
しかし、相手は時を同じくして跳躍。開いていた間を一気につめ、前足の鉤爪で右肩を切裂いてきた。
血飛沫を撒き散らしながら後ろに吹っ飛ばされる僕のプレイキャラ。
ライフゲージを見ると、最大値の1/4が失われていた。
まともに殺り合ったら勝ち目はない。
そう思った僕は、すぐさま相手と距離を取り、支給品の閃光玉を投擲した。
フラッシュ。
眩い閃光で画面は一瞬ホワイトアウトするが、すぐに視界は回復。
目の前にはフラフラ千鳥足のトサカ野郎。クシシシシ。
反撃が怖いので側面から斬りつける。
斬斬斬斬と連撃を叩きこむと、ぐらっと態勢を崩したので、さらに連撃。
ひとしきり斬りつけたところで、流石のドスランポスも眼暗ましから立ち直った。
だが、様子がおかしい。
反撃せずに、キョロキョロと辺りを見渡している。
そして、突然背を向けて走り出したではないか。敵前逃亡である。
ヤツの討伐こそがクリア条件なので、逃がすわけにはいかない。追跡開始。
動きは素早いが、閃光でピヨってたときに体にマーキングしておいたので、ヤツの行動が手に取るように解る。
追いながら、逃げ惑うヤツの背中を斬りつける。ひたすら斬りつける。
そんなリアル鬼ごっこの末、ギュルルオオォ! という断末魔を残し、ついにヤツが倒れ伏した。
ドスランポス、殲滅。
という感じで、初のボス戦は終わったわけだが、ドスと言うだけあって攻撃力が半端ないですね。
防具が弱いのか、技量が足りないのか。
今日の感想は少し長くなってしまった。10行ぐらいがベストなのだが。

※ 『MH2』の狩場は、いくつものエリアが存在し、それらが互いに細い通路で繋がれて構成されている。
雑魚モンスターはこの通路を通ることが出来ないのだが、ボスクラスのモンスターは、プレイヤと同様、自由に行き来できる、ということをこのとき初めて知った。