『M.G.H.』に続編があったんスね。
三雲氏の作品を初めて読んだのが二年前。
図書館で見かけた『M.G.H.』を、なぜか借りてきた※ことが全ての始まりである。
事前情報もなく、評判も知らず、作者の名もどこかで聞いたことがあるかな程度の認識。
今思えば英断だった。
以前、思い入れのある本でも挙げたが、今ではそれくらい好きな作品だ。
当時、神をまたひとり見つけてしまった、とさえ思った。
『M.G.H.』読了後、すぐさま氏の他作品『レベリオン』に手を出した。
面白くなかった。アレ? と思った。
当時あるラジオ番組を習慣的に聞いていて、そこで『コールド・ゲヘナ』というラジオドラマが放送されていた。
原作は同名の小説。作者は三雲氏。
これは聞くしかっ、と思い、毎晩夜遅くまで起きて、頑張って聞いた。
面白くなかった。
というより、世界観が自分に合わなかった。
それ以来、三雲氏の作品はノータッチである。
――などと、かく言う僕が、なぜ三雲氏の作品を再び読むことになったかと言えば、知人の新瀧氏に借されたからである。
人から薦められた作品を読むことは少ないが、今回はたまたま。
しかし読んでみて驚いた。
『M.G.H.』の続編だったからだ。
ここでようやく話は最初の1行目に繋がります。
もちろん読む前は続編だということは元より、『海底密室』の存在すら知らなかった。
知っていたらとっくに読んでいる。
そして、今回読んでみて思った。
やはりな。面白い。
とは言っても、『M.G.H.』には軽く及ばない。
要因は明確で、『海底密室』の視点人物が結構まともだから。
『M.G.H』では視点人物が変態だったために、そこから描かれる世界が僕の波長と妙にシンクロして、非常に楽しめたわけである。
僕が変態だ、という意味ではない。
それにしても、三雲氏は、てっきり理学部あたりが出身だと思っていたが、調べてみたら外国語学部だった。
あのセンスは研究者独特っぽいのだが……。

※ 管理人は基本的にハードカバーがお嫌い。読みにくいから。