RPG(ロールプレイングゲーム)は大きく分けて二つの要素で構成される。
シナリオとシステムである。
その位置関係は、システムを核とし、外装としてシナリオが在る。
この二つのバランスによってゲームの優劣が決まるといってもいい。
例えば、物語は凝っていても、ほとんど見ているだけでやらされていると感じるゲーム。
例えば、物語は単純だが、やりこみ要素が多彩なゲーム。
どちらもRPGとして捉えるならクソゲとして処理されても仕方がない。
まあ、前者はADV(アドベンチャ、ノベルゲーム)、後者はシミュレーションに近いともいえるが。
そして『グランディア エクストリーム』は後者に属する。
こう言うとシナリオライタに失礼かもしれないが、ストーリーが糞すぎるのだ。
魅力の欠片もないキャラクタ達が織り成す至極どうでもいい物語。
なんでおまえはそこにいるのか、と問いたくなるパーティメンバー。
『グランディア』の名が付いていることで騙され、夜な夜な枕を濡らしたプレイヤも多いはずだ。
パッケージ裏の文句も誤解を誘う。
ハードウェアの能力が飛躍的に進化して細密なグラフィックが当たり前となり、
それに慣れたプレイヤは「もっともっと!」とさらなる美麗を求める。
少しでも荒い映像を見つければクレームの嵐だ。
人が外界から得る情報の約8割は視覚からである。
予め雑誌でチェックして内容を確認してから買うプレイヤなんて、果たしてどれくらいいるのか。
やはり見た目は重要だ。
購買動機を支配する因子のひとつは間違いなく「見た目」である。
それと、ブランドもかなり支配的。
『グランディア』というタイトル(目に見えるもの、ブランド)から連想するのは「良質な物語」である。※
だが、そこで展開されるのは悪夢のような物語だ。
大抵のプレイヤはそこで絶望し、脱落する。
詰まらないからだ、端的に言って。
しかし、それでこのゲームをクソゲと判断するのは時期尚早である。
ダメなところが目立つと、そこに引きずられて他の要素もダメに見えるのは仕方ない。
『グランディア』という名を関したことに腹を立て、「こんなのグランディアじゃない」と怒りで客観的に見られないのもよく解る。
だが待て。しかし待て。
酷いシナリオと汚いグラフィックが目立つが、戦闘はそうでもない。
いや、むしろ面白い。
『グランディア』だとかRPGといった先入観がなければ、充分楽しめるのだ。
『トルネコの大冒険』や『風来のシレン』にシナリオを求めないように(どちらも未プレイだが)、
『グランディア エクストリーム』も同じように求めてはいけない気がする。
そう思う理由はいくつかあるが、書くのは次の機会にしよう。
指が疲れた。

※ 管理人は、『グランディア』については1作目しか知らない。
つまりこの連想は間違っている可能性もある。